先日、司法修習生と一緒に国立療養所栗生楽泉園を訪問しました。楽泉園は群馬県吾妻郡草津町にあるハンセン病療養所です。
今更ですがハンセン病に関する歴史や裁判の話をお聞きし、偏見や差別のもたらす深刻な結果を学ぶことが出来ました。
ハンセン病はノルウェーのハンセン医師が1873年に発見した「らい菌」による感染症ですが、感染力は弱くたとえ感染しても発病することはまれです。すぐれた治療薬もあります。
ハンセン病はかつては「らい病」と呼ばれ体の末梢神経が麻痺したり皮膚に発疹が出ることなどが特徴で、病気が進行すると顔や手足が変形することから、患者は差別の対象になりやすかったようです。
わが国ではハンセン病対策として誤った強制隔離政策が長く続いてしまいました。そのことが偏見や差別が現在でも根強く残っている原因のひとつとされています(厚生労働省発行「わたしたちにできること~ハンセン病を知り、偏見や差別をなくそう~」)。