暴排条例に基づく勧告

9月8日付け及び同月10日付けの新聞紙上に、群馬県公安委員会が、同月7日、前橋市を拠点に活動する指定暴力団員等と店を使わせる契約を結んだとして、同市内で割烹を営む会社に対し、群馬県暴力団排除条例に基づく勧告を出したことが報道されています。

事案は、県警によれば、店側は、4月下旬に暴力団員らの予約を受け付け、5月中旬に組員ら約50人が飲み会を開いたというものです。

群馬県暴排条例は、暴力団員による不当な行為を防止し、及びこれにより県民生活又は県内の事業活動に生じる不当な影響を排除するため、暴力団排除に関し、基本理念を定め、並びに県、県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、暴力団排除に関する基本的施策、青少年の健全な育成を図るための措置、暴力団の威力を利用することの禁止等について定めることにより、暴力団排除を推進し、もって県民の安全で平穏な生活の確保に資することを目的(同条例第1条)として、平成23年4月1日から施行されています。

同条例の排除対象となる暴力団は、暴対法第2条第2号に規定する暴力団であり(同条例第2条第1号)、「その団体の構成員(その団体の構成団体の構成員を含む。)が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長する恐れがある団体をいう」(同法第2条第2号)とされています。公安委員会の指定があることは必ずしも要件とはされていません。同条例で言う暴力団員とは、暴対法第2条第6号に規定する暴力団員であり(同条例第2条第2号)、「暴力団の構成員をいう」(同法第2条第6号)とされています。

ところで、同条例では、事業者の責務として、「その行う事業に関し、暴力団との一切の関係を遮断するよう努める」ことが規定され(同条例第6条第2項)、そのための具体的施策として、施設利用契約の禁止が規定されています(同条例第20条)。すなわち、「事業者のうち、旅館、ホテル、ゴルフ場その他の多数の者が利用する施設の運営又は管理を行う者であって、公安委員会規則で定めるもの(これを「特定事業者」と呼びます。)は、情を知って暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなる当該施設の利用の契約を締結してはならない」(同条第1項)とされています。

同条例第20条の「特定事業者」とは、次に掲げる事業者とされています(群馬県公安委員会規則第4号(群馬県暴力団排除条例規則)第2条)。(1)旅館営業又はホテル営業を行う事業者、(2)ゴルフ場の運営又は管理を行う事業者、(3)興行、会合、会議その他の行事の用に供する会堂、広間その他の多数の者が集合する施設の運営又は管理を行う事業者

今回の勧告は、割烹を営む会社は特定事業者であり、組員らの飲み会利用が上記施設利用契約の禁止に該当するという判断に基づくものと推測されます。