本日付けの新聞に、県警組対1課と安中署が、9月25日までに、県暴排条例に基づき、ともに安中市の神戸山口組系組幹部の男(51)と同組員(47)、同市にあるガソリンスタンド運営会社(前橋市)に対し、それぞれ勧告を出したとの報道が掲載されています。
事案は、県警によれば、組幹部ら2人は、平成29年6月、暴力団の活動を助長したり運営に資する目的で、このガソリンスタンドに洗車料金など7万3000円相当分を優遇させたというものとのこと。県暴再び同様の行為をした場合には、施設名や住所、代表者名が公表されると報道されています。
事業者による暴力団員への金品等の供与については、県暴排条例は、暴力団員等がこれを受けることは勿論禁止していますが(同条例第18条は、供与を受けることのほか、供与をさせること、要求すること、受ける約束をすることも禁止しています)、同時に、事業者が供与すること、その申し込みをすること、その約束をすることも併せて禁止しています(同条例第17条)。これは、暴力団排除を群馬県のみならず、県民、事業者全体で取り組みましょうという理念の表れと言っていいでしょう。
同条例第17条は、「事業者は、その行う事業に関し、暴力団員等・・・に対し、情を知って暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなる金品その他の財産上の利益(以下「金品等」という。)の供与をし、又はその申し込み若しくは約束をしてはならない。」と規定しています。今回の洗車料金優遇は、財産上の利益ですから「金品等」に該当することになります。同条例第23条は、「公安委員会は、違反行為(注:第17条違反はこの違反行為になります)があった場合において、・・・当該違反行為をした者に対し、必要な勧告をすることができる。」としています。今回の勧告は同規定に基づくものです。同条例第24条によれば、「公安委員会は、・・・勧告を受けた者が正当な理由がなく当該勧告に従わなかったときは、・・・その旨を公表することができる。」ことになっています。同規則第10条には、公表の方法が規定されており、公表するのは当事者の氏名及び住所並びに公表の原因となる事実とされています。